秋篠宮さまは30日、58歳の誕生日を迎えた。先立って行われた記者会見で、皇族数の減少などを踏まえ、公的な活動について「何らかの見直しが必要になってくるのではないか」との考えを述べた。
見直しは自身が主導するのではなく、行事の主催者と宮内庁で話し合う事柄との認識を示した。
現在、皇室を構成するのは17人。60歳以上は天皇陛下をはじめ100歳の三笠宮妃百合子さまや88歳の常陸宮さまなど8人。うち上皇ご夫妻は代替わり後は公的な活動をしていない。30代以下の皇族は4人で、うち3人が女性だ。現行の制度では女性皇族は民間人と結婚すれば皇室を離れる。秋篠宮さまは、皇室の高齢化や皇族の減少は「必然的なこと」との認識を示した。
安定的な皇位継承のあり方を議論する政府の有識者会議が、皇族数の減少対策をまとめた報告書が国会に提出されて間もなく2年。国会での議論が進まない現状については、皇室の制度に関係するとして言及を避けた。
一方、公的な活動については、2004年の会見での自身の「公務はかなり受け身的なものではないか」との発言を引き合いに、皇族数の減少も考え合わせると、何らかの見直しが必要との考えを示した。
皇族が務める総裁職などは、ある分野に特化したものは、その分野に非常に関心があったり自身が携わったりしている皇族でない限り、「引き継ぐ必要はない」と述べた。
秋篠宮邸の改修については、増築部分の大半が皇嗣職職員の事務部分(約66%)と公室部分(約29%)で、私室部分は約5%と説明。そのうえで、これまでの宮内庁の発表はこの区分けが明確でなく「説明が不十分だった」とし、「理解して頂きたい」と述べた。
次女佳子さまが改修後の宮邸ではなく、分室で生活をすることになった経緯も説明。将来的に結婚で皇室を離れる可能性を踏まえ「いずれは出て行くであろう娘たちの部屋を用意すること自体が、ある意味無駄」との考えから、佳子さまの部屋を設けなかったという。
公表までに時間がかかった要因の一つとして、「私自身がかなりぐずぐずしていた。先延ばしにしてしまった」とし、「きちんと関わってタイムリーに出す必要があった。非常に遅くなったのが反省点」と述べた。
宮内庁に4月に新設された広報室については、各宮家などとどのように密にコンタクトを取り、協力して情報発信をしていくかを今後検討する必要性を指摘。公的な活動以外の発信は「一定の基準がないと難しいかもしれません」とした。
また佳子さまの結婚については「彼女の考えをよく聞いて、こちらの思うところも伝える感じで話し合っていければ」とした。来年4月に高校3年生に進級し、同9月に成年を迎える長男悠仁さまの高校卒業後の進路は「本人が何をしたいかがやはり一番大事。そういうことが出来るような場所に行ってくれたら」と期待を寄せた。
来月で90歳を迎える上皇さまについては「歴代の天皇の中では最高齢で大変喜ばしいこと」とし、人と接することや外出が「元気でいることには大事なこと」と述べた。(多田晃子、後藤遼太)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル